Web表示スピード研究会

【事例・株式会社売れるネット広告社】ランディングページ、CVアップの切り札は「表示スピード」だった。最大1.6倍に。

株式会社ドーモの「LP高速化ソリューション」が株式会社売れるネット広告社のLP(ランディングページ)プラットフォームの「売れるネット広告つくーる」に2021年10月に導入されました。数ヶ月のテスト検証を行い、大幅なランディングページの高速化を果たし、マーケティングデータの向上、結果として最大1.6倍というコンバージョンアップを実現できました。

売れるネット広告社の「売れるネットつくーる」を高速化

売れるネット広告社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長CEO:加藤公一レオ)の「売れるネット広告つくーる」とは、単品通販(D2C)のEコマース事業者の担当者様が、文字と画像挿入だけで作成ができるLP・ランディングページの簡単作成プラットフォームです。同社の長年の売れるための工夫(コンバージョンアップ・ノウハウ)が詰まったCMS(コンテンツマネジメントシステム)で、約1000サイトで利用されています。

この「売れるネット広告つくーる」に、2021年10月から、ドーモの高速化対策を施しました。結果、3ヶ月の検証では、表示スピードが2倍速くなり、コンバージョンレートは最大1.6倍に広がりました。SpeedIndexなど、すべてのスピード指標において大きな改善数値を確認し、結果、現在、売れるネット広告つくーるのユーザー様1000サイトのUX改善と売上げ貢献できるようになりました。

ランディングページならではのファイル容量の課題

ランディングページは、ECサイトの中でも、広告プロモーションなどで、ダイレクトに着弾させる売上直結の1枚もののページです。極めてストレートに誘導するため、ファイルが長くなり、イメージ画像の容量が大きくなる傾向があります。

「ランディングページは画像で構成することが多く、ページが重くなってしまうという課題があります。また、同じプラットフォームでも、通販・D2C事業主様により個々にランディングページを制作するため、ページ内の画像容量をコントロールしにくいという課題もありました」(売れるネット広告社・取締役CTO 福本朋哉氏)。

一般のモバイルサイトでは、ファイル容量が全体の63%、Javascriptsが20%を占めています。2021年12月データ。

しかし、簡単に画像の容量を下げればいいかというと、簡単にはいきません。
本PJを推進した、売れるネット広告社・開発プロデューサーの牧瀬 奈帆さんは、

「LPページにおいて、画像の視認性(画像の色見、粒度)、画像品質は商品の魅力、ロイヤルティを訴求する上で非常に重要です」と言います。

個々のお店のオーナーにとって、画像の品質の度合いは極めてセンシティブです。
そのため(株)ドーモのパフォーマンスエンジニアのたちによる、売れるネットつくーるのプラットフォームの現状調査/分析とそのために必要な対策、主としてCDNの入れ替えと、細かいチューニングを施すことになりました。

画像問題をCDNのチューニングでクリアしていく

売れるネット広告つくーるでは、従来もCDNを使っていましたが、画像容量の削減と更なるページの表示時間高速化の課題が残っていました。

ドーモでは、「画像圧縮の設定」と「視認性のチェック」に関して細かい検証を行いながら、売れるネット広告社担当様と綿密なコミュニケーションを図りつつ、WEBページ表示完了時間の高速化+商品ロイヤルティを損なわない画像軽量化を実現しました。

ここまで詳細なCDNチューニングを施すことは、珍しいといって過言ではありません。

1月25日に博多で開催されたイベント「『D2Cの会』~大新年会&フォーラム」で「スピード改善と売上向上の関係」を説明する(株)ドーモのCTOの種村和豊さん。会場からは「こんな改善方法があったのか!」と、大きなどよめきが起こりました。

CDNをCloudflareに入れ替えて詳細チューニング

今回、CDN入れ替えにおいて導入させていただいたのは、新進のCDNおよびセキュリティベンダーのCloudflare(クラウドフレア、米国)です。従来のDNSを世界最速のDNSに入れ替え、素質のいいCDNの実装とともに、画像リサイズ、次世代フォーマット「WebP」への自動変換、ネットワークルーティングの最適化などきめ細かいチューニングを数十項目に渡り行いました。

目で見る読み込みスピードの効果

フィルムストリップで見る高速化の効果。上がドーモのサービスを導入後、下が導入前の状態。導入前は、初動のStartRenderのあとに、しばらく白い状態がみられましたが、導入後は、ファーストビューがすぐに現れる状態になっています。

各ショップの高速化の効果について

・化粧品会社Aでは画像数が多く、ファイル容量16MBだったランディングページが、Cloudflare導入後、 65%削減の6MBまで軽量化しました。結果、表示完了までの速度を半分に短縮することができました。

・化粧品会社Bでは、ファイル容量4MB(うち画像 3.5MB)だったものが、Cloudflareの画像リサイズ機能による効果で画像容量を80%削減することができました。結果として、ファーストビュー(Speed Index)は5秒から2.5秒と半分に短縮しました。

高速化はやって損なし、トクするだけ。

「高速化への投資は必ずペイできます」と(株)ドーモのCTOの種村さんはいいます。

「理屈として、マイナス影響がでるものがなにもないのです。広告効果がまったく効果なかったり、接客ツールなどマーケ施策では逆にマイナスもでることがありますが、高速化はいいことだけが待っていて、ブレーキになる材料はありません」

下記は、スピード改善が、各項目、各指標にプラス材料を与えて、売上貢献する図をしめしています。

スピード改善により、各指標が全般的によくなり、CVレートが向上し、売上に貢献していくというメカニズムを表したものです

スピード改善施策のメリット

・水平展開がカンタン

・一度入れたら、長く持続する。 

・マイナス影響はまったくない

→つまり、スピード改善投資は無駄にならない!

まとめ:さらにスピードUXで貢献します

「売れるネット広告つくーる」のスピード改善は始まったばかり。ゴールではなくスタートラインです。
スピードUXなど、表示スピードがUXの1つとなって来ている時代です。今後ますます爆速のプラットフォーム化を目指し、各ユーザー様の売上貢献につながるように支援をさせていただくことを考えています。

PSI、表示スピード、コアウエブバイタル INPの各対策については